競馬場の芝について|芝には3種類ある!?

はじめに|競馬場の芝は3種類ある
競馬場の芝コースは、一見するとどこも同じように見えるかもしれません。しかし実は、競馬で使用されている芝には大きく分けて3種類があり、それぞれ性質が異なります。
芝の種類や、その状態によって、レースで求められる能力は大きく変化します。スピードが生きる馬場もあれば、パワーや持久力が問われる馬場もあり、同じ条件のレースでも走破タイムに差が出ることもあります。
そのため、「なぜこの馬は別の競馬場では走らなかったのか」「なぜ函館、札幌開催だけ好走するのか」といった疑問も、芝の違いを知ることで納得できるケースが多くあります。芝の特徴を理解することは、レース観戦をより楽しむだけでなく、馬券予想の精度を高めるうえでも重要なポイントです。
この記事では、JRAで使用されている
野芝・オーバーシード・洋芝の3種類に注目し、それぞれの特徴やレースへの影響について、初心者にも分かりやすく解説していきます。
芝の違いを知ることで、これまでとは少し違った視点で競馬を楽しめるようになるはずです。
ぜひ最後まで読んでみてください。
野芝とは?特徴とレースへの影響
野芝は、函館競馬場と札幌競馬場を除くJRA8場で使用されている、もっとも一般的な芝です。日本の競馬場の多くで採用されており、日本の気候に適した芝とされています。
野芝の大きな特徴は、暑さに強い一方で寒さに弱い点にあります。生育期間は主に春から夏にかけてで、特に気温の高い夏場に最も旺盛に成長します。そのため、春から夏にかけての開催では芝の状態が安定しやすくなります。
また、野芝は他の芝と比べて馬場が締まりやすく、速い時計が出やすい傾向があります。高速決着になりやすいレースが多いのも、野芝コースの特徴のひとつです。
さらに、芝の地下には「匍匐茎(ほふくけい)」と呼ばれる茎が横に広がっており、これが芝全体を支える役割を果たしています。この匍匐茎があることで、馬の走行時にも芝が安定し、クッション性のある馬場が保たれています。
さらに、野芝はオーバーシードとは異なり、自然回復力を持っている点も大きな特徴です。表面の芝が傷んだり、一時的に剥げてしまった場合でも、ある程度の気温があれば再び芝が生えてくるため、開催を重ねても回復が期待できます。
このように野芝は、耐久性と回復力、高速馬場になりやすい性質を兼ね備えた、日本競馬での主流な芝だといえるでしょう。
オーバーシードとは?冬でも芝が緑な理由
野芝は、冬になり気温が下がると生育が止まり、やがて枯れてしまう性質を持っています。そこで競馬場では、野芝が完全に枯れる前の秋から初冬にかけて、低い気温でも育つ洋芝の種をまく作業が行われます。
このようにして作られた馬場を、オーバーシード馬場と呼びます。
冬場の競馬を見ていて、
「なぜ寒い時期なのに芝が緑のままなのだろう?」
と疑問に感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
その答えが、このオーバーシードにあります。
かつての競馬では、冬になると芝が枯れ、茶色くなった馬場でレースが行われていました。しかし近年では、オーバーシード技術の普及により、一年を通して緑の芝コースで競馬が開催されるようになっています。見た目の美しさだけでなく、馬場の安定性という面でも大きな進歩といえるでしょう。
さらに、オーバーシード馬場では、野芝の上に洋芝が生育するため、札幌や函館のような洋芝コースと似ていると思う人もいるでしょう。しかし、実際の馬場性質はそれらとは異なります。
その理由は、オーバーシードの下には野芝が残っており、冬場でも馬場の土台として機能しているからです。洋芝だけで構成された馬場ではなく、あくまで野芝をベースとした馬場であるため、クッション性や反発力の面では本格的な洋芝コースとは違いがあります。その結果、冬場であっても、条件がそろえば速い時計が出ることもあります。
洋芝とは?札幌・函館競馬場の特殊な馬場
札幌競馬場と函館競馬場で使用されている芝は、洋芝です。
この2場がある北海道では、夏場でも本州ほど気温が上がらず、野芝が十分に生育しにくい気候となっています。そのため、季節によって芝を切り替えることはせず、一年を通して洋芝のみを使用したコースが採用されています。
洋芝は、野芝とは性質が大きく異なる芝であり、その違いはレース結果にも大きな影響を与えます。
最大の特徴は、野芝に比べて時計を要する馬場になりやすい点です。札幌や函館のレースで、他場よりも走破時計が遅くなりやすいのは、この洋芝の特性によるものといえます。
その理由のひとつとして、洋芝は水分を含みやすい性質を持っていることが挙げられます。芝の葉や地面が柔らかくなりやすく、馬が走る際にパワーを必要とするため、スピードだけでは押し切れないレースになりやすいのです。
その結果、洋芝コースでは、軽いスピードタイプよりも、パワーや持久力に優れた馬が好走しやすい傾向が見られます。
「洋芝は重い馬場適性が問われる」と言われるのも、こうした芝質による影響が大きいと考えられます。
このように、札幌・函館の洋芝コースは、他の競馬場とはまったく異なる馬場特性を持つ、特殊な舞台となっています。
まとめ
競馬場の芝には、野芝・オーバーシード・洋芝の3種類があります。
野芝は速い時計が出やすく、日本の多くの競馬場で使用されています。
オーバーシードは冬場に野芝の上へ洋芝を育てた馬場で、見た目は洋芝でも土台は野芝です。
一方、札幌・函館で使われる洋芝は、水分を含みやすく、パワーや持久力が求められる時計のかかる馬場になりやすい特徴があります。
芝の違いを理解することで、レースや好走馬の傾向が見えやすくなり、予想にも役立ちます。
最後までお読みいただきありがとうございました。

